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鮮烈なデビューを飾った開発会社レトロスタジオに聞く!
インタビュー第4弾は、メトロイドプライムで主観視点ゲームの新境地を切り拓いた米レトロスタジオの開発スタッフの登場です。メトロイドシリーズを誰よりもリスペクトする彼らが挑んだものとは・・・・
RETRO STUDIO
米国テキサス州オースチンにある開発会社。モーション
キャプチャールームやシアターなど最新の開発設備を持つ。
PC向けのゲームなどを開発してきたスタッフが多く、主観
視点のゲーム制作に関する技術・ノウハウは非常に高い。
米国で昨年11月に発売した「メトロイドプライム」は、スタ
ジオ初の作品にして、全米で高い評価を受けている。02年に
任天堂から100%の出資を受けて、同社の開発子会社となっ
ている。




■開発期間はどれくらいだったでしょうか?

Mike: メトロイドプライムの開発にはおおまかですが、2年半かかりました。


■GCでの初めての開発ソフトということで苦労された部分や、これまでとの違いなどありましたら教えてください

Mark: ゲームキューブのハードは、非常にパワフルで、開発する側にとっては、これまで以上に多くの事柄や、多くの内容を創り出す事ができます。素晴らしい技術の進化なのですが、同時に細部まで世界を作りこんだり、複雑に絡み合ったゲーム内容を創り上げる為にはより時間がかかりますから、制作する側の仕事量も大変に多くなります。私たちがメトロイドプライムに必要なレベルの質と細部へのこだわりを達成する事ができたのは、それぞれの分野で非常に優れたアーティスト、エンジニア、デザイナーを持つ事に尽きます。
■また、任天堂のメジャーフランチャイズシリーズを、任天堂と共同開発する、ということで、なにかエピソードがありましたら教えてください

Mike: 全体のデザインと方向性を決める最初のところからレトロスタジオと情報開発部の協同作業でした。「コミュニケーション」がメトロイドプライムの質と方向性を確かなものにする為に大きな役割を果たしました。何百何千ものEメールを交わしましたし、とても多くの回数のTV電話会議や電話会議も行われました。コミュニケーションを補う為に情報開発部のスタッフがテキサスに、レトロスタジオのスタッフが情報開発部へと互いに行き来する事も行いました。
■企画の段階から「3D化されたメトロイド」がテーマとしてあったのでしょうか?

Mark: メトロイドの企画がレトロスタジオへ提案された当初から、宮本さん(任天堂情報開発本部長)は主観視点によるゲームプレイの構想を描いていました。なので3Dという方向性は非常に初期の段階からありました。主観視点になるという事はゲームシステムの焦点に関する本質的な変化をもたらします。我々はまずサムスのどの能力が主観できちんと表現できるかという点から検討を行いました(スクリューアタックを主観できちんと作るのは大変に難しい事です)そのうえでプレイヤーが主観で遊ぶために、「バイザーシステム」のように新しくてエキサイティングな要素を創り出す必要があったのです。3Dのメトロイドのコンセプトをデザインする時に私達が力を注いだのは「何ができないか」という事ではなく「その状態ではサムスは何をすべきか」という事でした。私達が開発を進めていく中で、このような考え方は、このゲームがどうあるべきかという事を考える際、大変大きな助けとなりました。
■また、3D化する際に『メトロイド』シリーズのエッセンスはどのようにとらえて いたのでしょうか?

Mark: メトロイドシリーズのエッセンスとしては3つの基本的な特徴があると思います。「雰囲気」「探索」そして「サムス」です。メトロイドの持っている「雰囲気」、それは非常に不気味なサイエンスフィクションのテーマで、私たちは3Dの世界でそれに上手く命を与えられると考えました。これまでのシリーズが2Dのサイドスクローリングアドベンチャーであの雰囲気を出せているのには大変驚かされます。ゲームキューブハードの持つ力によってこの「メトロイド的な雰囲気」を継承しつつ、プレイヤーが探索し触れる事のできる完全な3D空間を作りあげることができました。

メトロイドの「探索」要素は、主観視点プレイと非常に良くマッチしました。宮本さんは私達に、周りの様子を見回すには主観視点にスイッチするのが一番であるという事を話されました。なのでゲームの目的が「探索」する事にある以上、主観視点でゲームを進めるのが理想的という事になります。私達はこの事を心に留め、プレイヤーが何かを発見する為に、周りの様子を見回す必要のある世界を創り出したのです。

アメリカでは、サムスはこれまで創り出された最もクールなゲームキャラクターのうちの1人であると考えられています。今回私たちに課せられた課題は、サムスを以前のシリーズと同様に印象的に見せるだけではなく、如何にしてプレイヤーが「自分がサムス」だと感じられるものにするかという事でした。これは間違い無く大変難しいものでした。情報開発部の助けを得ながら、私たちはプレイヤー自身がアクションしているような印象を出せるように多くの事を考え出し試してみました。例えば、敵の体液がバイザーに飛び散ったり、バイザーが電流でショートしたり、ヘルメットのガラスの部分にサムスの顔が映りこんだり、撃たれた時に彼女の左手がスクリーンの前に飛び出したりするなど。これらの演出はプレイヤーにアクションを感じさせるだけではなく、サムスと同じ戦略的な選択をプレイヤーにもさせるという事にもなります。私たちはプレイヤーに「クールだ」と感じてもらえる要素をつくり込むことに力を注ぎました。
■『メトロイドプライム』の魅力の部分、いちばん日本のプレイヤーに楽しんでほしい部分はどこでしょう?

Mark: まずこのゲームの「バイザーシステム」は楽しんでもらえると思います。バイザーを使い分けることでプレイヤーは違った発見をする事ができます。もし、敵やストーリーがもっと知りたければスキャンして下さい。闇に隠れて密かに行動している敵を見つけ出したい時はサーモバイザーを使って下さい。エリアに隠されている事物を全て明らかにしようとするならXレイバイザーです。私たちはプレイヤーの皆さんが私たちが創り出したメトロイドプライムの素晴らしい世界を探索し、自分で体験される事を願っています。

モーフボールも非常にオリジナリティーの際立った特徴といえます。これはとても遊び心にあふれる楽しいアイテムですが、ゲームの中で様々に応用されています。モーフボールはわざと戦闘には向かないようにデザインされていますから、プレイヤーはモーフボールを移動手段や隠しルートの発見、謎解きなどで使う事になります。モーフボールはこのゲームを他の主観視点ゲームと違う感じのものにしている大きな要素ですね。



■いわゆるFPSというジャンルに属している『プライム』ですが、他のFPSとの違いについて、開発側としてはどのように意図されているでしょうか?

Mark: 最初からメトロイドというのは何よりも「探索」のゲームであると私達は認識していました。シューティングは重要な要素ではありますが、このゲームの焦点であるとは言えません。この考え方を基にして、私達が作る世界でプレイヤーが「何をするか」ということに関するゲームデザイン上の決定の大半が方向づけられました。ゲームをシューティングよりもアドベンチャーとして考えた時から私達はこのゲームを「主観視点アドベンチャー」と呼び始めました。

サムスの能力の多くは、探索というシステムに関わってきます。サムスが使える何種類かのバイザーがその例です。異なるバイザー越しに周囲の状況を確認し、問題を解決していくそのシステムは、既存の主観視点ゲームの概念を変える重要な第一歩でした。

バイザーだけでなくモーフボールもまたメトロイドプライムを他の主観視点ゲームと違うものにしている重要な要素なのですが、これは大きなチャレンジの一つでした。メトロイドプライムのアイデアについて話し始めていた最初の頃、私達は皆、モーフボール無しのメトロイドゲームはあり得ないと考えていました。また、私達の意図した方法でモーフボールを使うためにはモーフボールを客観視点で見せる必要があるという事でも皆の意見は一致していました。主観から客観への切り替えは、大変なチャレンジでしたが、思いのほかうまく表現できたので、そのあとはモーフボールにゲームの中でどういう役割を与えるべきかという事に考えを集中しました。主観視点でのサムスのガンを持った状態に対して、モーフボールは意図的に非戦闘モードとしてデザインされています。ボールに丸まった形状というのはパワーを与える感じがしないので、戦闘の性質は合いません。それよりもモーフボールをとても役に立ち、クールなアイテムにするためにゲーム攻略のカギになるように位置付けたのです。

それからこのゲームに登場する巨大なボスたちも、従来のFPSとの大きな違いです。それぞれのボスは、特定のサムスの装備とプレイヤーの腕があれば倒すことができます。これらのボスバトルはとてもエキサイティングで、このジャンルのゲームではなかなかお目にかかれないものです。

操作法もリスクを承知のうえで意図的に新しいアプローチを取った部分です。このゲームのロックオンシステムは多くの主観ゲームとはとても違っていて、どんなゲームプレイヤーにとっても扱い易いものになっています。

■コンシューマハードでのFPSは、操作インターフェイスにマウスを使えないことでかなり遊びにくくなることが多いのですが、『プライム』では、オート照準やロックオン移動などプレイヤビリティが非常に高い印象を受けました。インターフェイス をデザインする際に、注意されたところ・苦労などがありましたら教えてください。

Karl: まず、家庭用据え置き型ゲーム機用の主観ゲームのコントロールが何故難しいのかを明らかにするのが第一段階でした。私達の結論は、従来の操作では敵を狙ったり視界に置いておくことさえもとても難しいという事でした。解決策として必要な時には敵を画面の中心に据える事のできるロックオンシステムをデザインする事でした。

この案を進めるにあたって、ひとつ、私達の多くが恐れていたのは、これによってゲームがシンプルになり過ぎてしまわないかという事でした。私達は、ゲームの焦点を「狙う事」から「戦略的な決断」へ移したり、敵の攻撃行動形態を徐々に調整することによってこの潜在的な問題点を克服する事ができたと思っています。私達はこの結果に大変満足していますし、この特徴が全てのプレイヤーにとってこのゲームを遊びやすくしていると感じています。

■3Dの世界でありながら、非常に地形を把握しやすいマップ画面です。マップシステ ム・インターフェイスを作る際に苦労されたところがありましたら教えてください。

Karl: 私達は最初から3Dマップがプレイヤーを3Dの世界を導くのに最も良い方法である事が判っていましたので、この部分の開発はとても順調でした。

■非常に印象的なオープニングの「ウィルスのような画面」が生まれた経緯・あの映像の意味について教えてください

Karl: コンセプトは、メトロイドが敵の種族の体を乗っ取り、そして生物学的な再生を行うプロセスを考えました。どちらも非常に「ウィルスのような」ものをイメージしました。これらのイメージが最終的にタイトル画面で見れるような映像表現になりました。これはゲーム全体に流れる雰囲気となっています。

■続編の制作の予定はあるでしょうか? もしもあるとしたら、どのような部分をパワーアップ、変更したいとお考えでしょうか?

Mike: メトロイド・プライムの続編に関しての話し合いは幾らか行われていますが、今はメトロイド・プライムの成功を楽しんでいるところです。
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