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今回『メトロイド』をつくっていて、楽しかったことはどんなことですか?
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坂本 |
実は僕、これまで内部のラインだけでゲームをつくったことがほとんどなかったんです。それで今回は内部だけでつくるということで、いい部分も悪い部分も見れたりとか、開発一部のメンバーだけでつくってるという手応えを感じたりとか、いい経験ができたと思いますね。で、ゲームをつくるときはいつもそうなんですけど、思ったものがカタチになっていくことが嬉しくて、とくに企画を立ち上げる最初と最後の大詰めのときは楽しいんですけど、真ん中はグチャグチャ(笑)。でも最終的なカタチに仕上がっていく最後の1ヶ月位から、みんなの顔つきが変わってくるのがいいですね。
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田邊さんが楽しかったことは?
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田邊 |
楽しかったことですか? 探すのが難しいくらい。いや、ま、たぶんこれで日本でも発売されて、それなりの評価をされれば、それがいちばん楽しいことになるんでしょうね。この仕事をはじめるときって、実はすごく不安だったんですよ。自分が主観視点のゲームをつくったことがなかったし、しかも『メトロイド』と言えば、去年のアメリカの年末商戦の目玉になるソフトやったし。で、僕が関わりはじめたときはカタチになっていなかったし。それに、僕は1本だけじゃなく、同時に何本かのソフトをみてるんです。
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『動物番長』にも関わってるんですよね。
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田邊 |
当時は『番長』も動かしてましたね。で、『エターナルダークネス』も最初は関わってたんですよ。でも、そのソフトとの両立は絶対にムリやから、他の人に代わってもらったんですけど、ちゃんと仕上がるんやろうかという不安は絶えずありましたね。それで去年のE3のバージョンがあがってきたときに、初めて「行ける!」と思ったんです。
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でも、それだけ不安だったのが、アメリカで大きな評価をされて。
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田邊 |
それがいちばんうれしかったですね。
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坂本 |
僕は去年のE3のときは、めちゃくちゃ不安だったですね。「やばい」と思うくらい。当時は自分で『メトロイド コンフュージョン』と呼んでたくらい混乱してて(笑)。部長に「どや、『フュージョン』は?」って聞かれて、「いや『コンフュージョン』です」って答えてたくらい(笑)。
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一同 |
爆笑 |
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山本さんが音楽をやって楽しかったことは?
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山本 |
やっぱり海外ですごい評価をいただいたことはうれしかったですね。あと、つくってる段階で、いわゆるゲーム音楽という既成概念からいかにはずれていくかということにチャレンジしていて、『メトロイド』らしいダークな近未来的宇宙の舞台を、非現実的な音表現でいかに自然な環境として構築するかということをやっていたわけで、正直すごく不安だったんです。
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他のゲームのように、テンポのいいリズムでというわけにはいかない。
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山本 |
そう。非現実的な音表現で、リズムもメロディも構成しなければならない。そんな音空間が受け入れられるかどうか、すごく不安だったんですけど、海外でゲームオブザイヤーのベストミュージックを受賞させていただいたようで、よかったなあと(笑)
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